プログラム小豆島に残る先人の遺産に、真の豊かさへのヒントがある。醤の郷+坂手港では、アート/デザインという視点から、新たなコミュニティを模索するプロジェクトを多数展開。会期:2013年3月20日 – 11月4日春:3月20日(春分の日) – 4月21日(日)夏:7月20日(土) – 9月1日(日)秋:10月5日(土) – 11月4日(月)小豆島では上記会期外でもお楽しみいただけます。

プログラム

坂手エリア

077 – THE STAR ANGER

ヤノベケンジ
[坂手港灯台跡] / 常設

海路より「希望の島、小豆島」に人々を導く灯台の役割をなす巨大ミラーボール作品《THE STAR ANGER》。核や放射能の問題に長年にわたって取り組んできたヤノベの、現代社会へのあり様に対する怒りを込めた作品でもある。四方八方に角を突き出した直径5 メートルに及ぶ巨大ミラーボールに、怒りに目を赤くするドラゴンが乗り、回転しながら光を放つ光景は圧巻。坂手港護岸、以前灯台が建っていた跡地に小豆島のモニュメントとして燦然と輝く。

A - 小豆島縁起絵巻

ヤノベケンジ (絵師 岡村美紀)
[坂手港待合所] / 常設

《小豆島縁起絵巻》は2013 年に小豆島に芸術作品が集まることによって展開される神話的物語を後世に伝え続ける記録絵画で、テーマは「希望の島」。2013 年の瀬戸内国際芸術祭に際して設置される作品群や、小豆島に伝わる逸話を描きながら、背景には、旧約聖書のエピソード「ノアの方舟」等をモチーフにした壮大な物語が語られる。大地の神は大洪水を引き起こし、天空の神は雷鳴を轟かす。神々の怒りを乗り越え、再生をはかるため、人類が苦難の末にたどり着いた希望の新天地、小豆島。この物語絵巻を見た旅人は、芸術が創出した物語と現実の旅とを重ね合わせ、古くから伝わる龍の伝説や、オリーブに象徴されるユートピアを心に刻む。

 

078 – ANGER from the Bottom

ビートたけし×ヤノベケンジ
[マルキン忠勇古井戸跡] / 常設

8mの巨大彫刻作品《ANGER from the Bottom(アンガー・フロム・ザ・ボトム)》は、ビートたけしの「古井戸」についての着想をもとに、ヤノベケンジが具体化、制作した作品。古来から井戸は、霊的な存在が棲む場所として、人間と自然とをつなぐ超自然的な回路の役割を果たしていた。同時に、イソップ童話「金の斧」のパロディで、欲にかられた2番目の男が湖に意図的に落とした斧が神様の頭に刺さって殺してしまうという、たけしのギャグが古井戸に置き換えられ、ヤノベの独特でユーモラスな造形かつ破格なスケールで表現された本作。小豆島に伝わる龍神伝説に共鳴し、実際の古井戸の跡地に展示される。

079 – Creator in Residence「ei」

UMA / design farm + MUESUM
[旧JA香川坂手出張所] / 9:30 – 17:00 /
カフェ:平日11:00-18:00(L.O.) 土休日9:30-18:00(L.O.)

「ei(えい)」とは、小豆島弁で「良い」を意味する言葉。1Fにはショップ、観光案内所、インフォメーションセンター、工房兼休憩スペース、展示スペースを設置。また2F には、クリエイターのための滞在制作スタジオ、食を通して小豆島の魅力を感じられるカフェを擁し、さまざまな人たちに「えい場所やな~」と愛される場所になるべく、多くの関係性が生み出される仕組みの構築を目指している。2Fスタジオでは、会期中、10 組のクリエイターを招聘。クリエイターは、10 日間の滞在制作を通して、小豆島の魅力を体感し、町の人たちとコミュニケーションをはかり、「小豆島の“ei(えい)” 未来」をテーマにアイデアを集積、展示を行う。

 

参加クリエイター

〔春会期〕
1期:3月20日(水)-3月31日(日) 蓮沼執太たち
2期:4月1日(月)-4月10日(水)  吉行良平と仕事/Oue/暮らすひと暮らすところ
3期:4月11日(木)-4月30日(火) 飯田将平と海辺の人々

〔夏会期〕
4期:7月20日(土)-7月29日(月) NOSIGNER
5期:7月31日(水)-8月9日(金)  ovaqe
6期:8月10日(土)-8月20日(火) 大原大次郎と女たち
7期:8月22日(月)-9月1日(日)   o+hと仲間たち

〔秋会期〕
8期:10月5日(土)-10月14日(月)  白鳥浩子とStudy O Portable
9期:10月15日(火)-10月24日(木) Noritake+平山昌尚
10期:10月25日(金)-11月4日(月) UMA/design farm+MUESUM

E15 – 港の劇場プロジェクト

劇団ままごと
[世代間交流センター(旧坂手幼稚園)/遊児老館] / 不定期

坂手港にある旧坂手幼稚園を基地に春・夏・秋の全期にわたり劇団が滞在し、創作活動を行います。春期は港町を散歩しながら体験する作品の常設公演を、夏期は幼稚園を劇場にして親子で観劇できる作品を上演、秋期には幼稚園を演劇図書館にする企画を予定しています。「劇場」とは作品を上演するだけの場所ではなく、作品をつくる場所でもあります。また「劇場」は人と人が行き交う場所でもあります。そんな「劇場」を、1年かけて坂手港につくる。また港全体を「劇場」にする。それが『港の劇場プロジェクト』です。

B – 未来の学校

椿昇林千晶古賀健太
[坂手港前エリエス荘] / 不定期(8/1-8/9)

「こんな学校があったらいいのに」「あんな先生に学びたかった」「今なら受けたい授業がある!」大人になると誰もが一度は思う、理想の“学び”。そんな学びの場を「未来の学校」としてGAKKO PROJECTと共同で小豆島に期間限定で実現するプロジェクト。「世界」と「ワクワク」をテーマに、これからの私たちに本当に必要な授業と、本当におもしろい先生だけを集めます。プロジェクトは1日1科目、国語、数学、理科、社会、美術、演劇で構成される。海外の大学生によるワークショップや、FabCafeで繰り広げられる最新のデジタルものづくりの実験、小豆島での地元の方々との交流、瀬戸内国際芸術祭に来ているアーティストも巻き込んだ創作、国際的に活躍しているゲストによる思考トレーニングなどを実施。
http://gakkoproject.com/
https://www.facebook.com/GAKKOPROJECT

080 – 壺井栄生誕地お花畑プロジェクト

西畠清順 / Seijun Nishihata
[壺井栄 生誕の地] / 常設

不朽の名作『二十四の瞳』の作者で、小豆島出身の壺井栄の生誕地を栄の大好きだった花で埋めつくしたい、と始まったプロジェクト。お花畑のシンボルツリーとして、平和と繁栄の象徴であり、小豆島に豊かな恵みをもたらす、栄と同時代に生まれた樹齢100年のオリーブの樹を広場の真ん中に植える。栄が最後に遺した「みんな仲良く」という言葉と、小豆島の平和が次の世代に引き継がれるよう願いを込めて、小豆島町の住民とそら植物園がみんなで仲良く、つくり育てるお花畑です。「壺井栄がふるさとに帰って来た……」そんな想いで、栄に逢いに来て下さい。

「生きてる屋台」プロジェクト

織咲誠 × 地元のひとびと
[坂手地区内]

“永く使われ、愛される”屋台とは?地元の風土に合わせた小豆島のための屋台。「島のゆかり」のかたちを探り、対話し、町民と共にかたちを生み出します。地元の人がつくれること。大きさや形が発展する“余地のあるデザイン”にしておくこと。なるべく「島の外から物質を持ち込まない」土地にある素材でつくること。試行錯誤……時間をかけて工夫してゆけばいい。さらに“異国の地にこの活動と形が広まるといいね”とみんなで夢を膨らませています。

クマグスク

クマグスク
[観音寺]
一般鑑賞:11:00-17:00 鑑賞料300円
滞住利用:16:00-翌10:00 滞住利用料5,500円~

現代アーティストの矢津吉隆と井上大輔によるプロジェクト。坂手観音寺の使われなくなった宿坊を滞在型のアートスペースへと改装。展示作家に土屋信子を迎え、宿坊の浴室だった空間を使って”裸で体感する”展覧会「Ace of Heart vol.7」を開催。小豆島から出た廃材を素材に、裸になって鑑賞することで人間の想像力を喚起し、五感を越えて作品を体験することができる。企画に森美術館アソシエイトキュレイターの椿玲子、空間構成にdot architects、デザインに原田祐馬や京都造形芸術大学のZZZがが関わるなど多くのクリエイター、さらには地元の自治会組織である”んごんごクラブ”を巻き込んで、アートによって小豆島八十八ヶ所のお遍路文化を再生する新しい地域おこしの可能性を目指す。滞住利用料は1名様5,500円~。予約はHP(www.kumagusuku.info)の予約フォームから受付中。お問い合わせはkumagusuku@mail.infoまたは090-9443-9579まで。

 

醤の郷エリア

081 – 醤油倉庫レジデンスプロジェクト
outlining _ puti puti bubble wrap trees

織咲誠
[左海醤油] / 春・夏・秋期 / 9:30-17:00 鑑賞料300円

空気緩衝材の樹。人工物である素材が“自然のディテール”を備える妙技。存在のほとんどが無意識レベルに置かれている樹。樹の輪郭線を追うことで自然界への人間の向き合い方を問いたい。「表面」はネガティブなイメージがつきまとう。しかし表層や輪郭は内面の結果なので、表層をなでまわしていると内部の構造がみえてくる。ドローイング、ペインティング……表層から内面をつかみ取る行為をoutliningと名付けた。今回、DESIGNTIDE TOKYO 2012のメイン会場構成で制作した作品を小豆島に移植。

081 - 醤油倉庫レジデンスプロジェクト 乗り越える

加茂昴
[左海醤油] / 春期 /9:30-17:00 鑑賞料300

今回のレジデンスでは、2012年に行った個展「【絵画】と【生き延びる】」から抜粋した18枚と、新作の28枚、合計46枚の絵を構成しています。全体のテーマは【乗り越える】。壁面を、倉庫の構造に合わせて大まかに6つの要素に分けて構成しました。一つひとつの要素が、さらには1枚1枚の絵画が、共鳴や反発をしあう、緊張感のある展示空間をつくりました。また滞在中は絵のモデルになってくれる地元の方を探し、絵を描く、描かれるという行為がコミュニケーションとしてどういう意味を持つのかを考えたい。【生き延びる】から【乗り越える】へ、さらには、【飛び越える】くらいまでいっちゃうかもしれません。

081 – 醤油倉庫レジデンスプロジェクト

小山泰介
[左海醤油] / 夏期 / 9:30-17:00 鑑賞料300円

本プロジェクトでは、醤油の醸造過程や酵母菌について学びながら、発酵という現象や、展示会場である左海醤油の柱や壁に貼りついている蔵付き麹菌を題材として、人々と自然の関わりによって育まれてきた小豆島の風土の細部を撮影した作品を制作する予定。

081 – 醤油倉庫レジデンスプロジェクト 些細な造形心

鈴木基真
[左海醤油] / 秋期 / 9:30-17:00 鑑賞料300円

日本人が親近感を持てる木を素材とした造形作品を展示し、芸術祭に関わるその土地の人々が、近代以降につくられた文化意識の壁を感じることなく作品を鑑賞し、その土地の風土、民俗を見つめ直せる空間をつくり上げる。そのために彫刻のプリミティブな部分を強調し、年齢や性別、国籍などを飛び越え、人間の根源的な感性に働きかけるような作品づくりを心がける。また自分自身も、滞在制作という機会を生かし、現地の制作環境が作品に与える変化を読み取り、今後の活動に役立てる。

C – 醤油蔵通りプロジェクト

[マルキン醤油第四号発酵蔵] / 9:30-17:00

醤の郷周辺には、登録有形文化財の醤油蔵や古民家等が数多く点在しています。先人から受け継がれてきた地域の魅力ある資源として、今も大切に守り続けられています。この貴重な資源を最大限に生かすため、醤の郷を散策する来訪者が、歴史ある醤油蔵や杉桶等を間近で見学することができるように、登録有形文化財の「マルキン醤油第四号発酵蔵」にギャラリーステージを新設し、醤の郷における歴史的価値をさらに高めていきます。

082 – Umaki camp

dot architects
[真光寺下] / 夏・秋期 / 9:30-17:00

馬木に住む人、馬木を訪れる人が、豊かな自然や生活の知恵を通して、さまざまな関係性をつくるプロジェクトです。具体的なプランは、馬木で小屋の設計・施工を行い、そこをベースキャンプにして、さまざまなメディア(人と人をつなぐ仕組み)を実装することで、一時的自律空間の創成を試みます。小屋は誰もが「建てる」ことに参加できる仕組みで建て、外壁には映像を投影でき、中には誰もが使用できるキッチンをはじめ、スタジオなどができる予定です。地域の家庭で採れる美味しい野菜がある時はその場で食べることができたり、地域の家庭に眠る8mmフィルムや写真の収集・保存・公開を行うなど、さまざまなプログラムを行います。

 

083 – 小豆島町コミュニティアートプロジェクト

小豆島町民 + 山崎亮 + studio-L
[旧醤油会館] / 9:30-17:00

小豆島は古くから素麺、醤油、佃煮、ごま油、オリーブなどの産業が盛んに行われ、いずれも日本有数の生産地となっています。特に会場となる「旧醤油会館」のある馬木地区は400年前から醤油蔵の建ち並ぶ歴史ある地域です。その地域で、醤油を光に透かして鮮度をみる習慣をもつ住民と、規格変更のため不要品となった大量のたれ瓶(お弁当などに添えられる醤油などを入れる小さな容器)に出会いました。そこから、これらのたれ瓶8万個と醤油を使い、「アーティストをしのぐ作品をつくろう!」をスローガンに住民の力を合わせてつくり上げた、この地域ならではの醤油のインスタレーション作品を発表します。

 

084 – おおきな曲面のある小屋

島田陽
[ヤマサン麹部屋] / 常設

小豆島、醤の郷に新たに公衆トイレを設置する。周辺の醤油蔵に特徴的な和小屋と、その下の大きな杉樽のある風景に触発され、ガラス瓦といぶし瓦をモザイク状に混ぜて葺いたあかるい屋根の下に、鉄板によるやわらかな曲面をつくり出して公衆トイレとしての機能を成立させている。

085 – オリーブのリーゼント

清水久和
[石井平治醸造場跡] / 9:30-17:00

オリーブの実にも似た顔型の白い球体に、「強さ」や「若さ」を感じさせるリーゼントのヘアスタイル。オリーブの木々の中にモノクロの造形物が立ち現れることで、畑の中に異次元の世界が出現し、神々しいまでの空間が、地域を象徴する場として生まれます。ものを介して人と人をつなげるという、デザインの根源的な役割を見つめなおした作品です。顔の中央部に開けられた穴には地域の果物が並べられ、島を訪れた人々に販売されます。また、開催を予定しているワークショップでは、作品のまわりに子供たちが集い、真っ白な作品表面に思い思いの「顔」を描くことになります。

086 – 小豆島カタチラボ / THE ISLAND LAB

graf
[旧山吉醤油母屋] / 9:30-17:00 鑑賞料300円

小豆島の長い歴史の中で育まれてきた、先人たちの知恵や美意識。それら人々の豊かな気持ちの源泉は、小豆島の「もの」「文化」「史跡」などの中に形として残されています。そんな小豆島の「カタチ」をリサーチして掘り起こし、デザインのはじまりを、「カタチ」をさまざまに検証していく中から見つけ出していきます。調査・検証・解体・編集・構築・製作までの、モノが生まれるプロセスが蓄積されていく展示過程を通じて、小豆島の魅力をものづくりの視点から再発見することを試みます。
<今後の予定>
4月13日(土)、14日(日):graf家具職人による「石」をつかったワークショップ @旧山吉醤油母屋
4月20日(土):(タイトル仮)小豆島の「食」のお弁当会 @旧山吉醤油母屋