事務局ブログ(週1回更新)

2014年10月5週目|eiが学びと遊びの場になりました

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

10月26日は坂手港すぐのeiをつかったイベントが2つ行なわれました!

ひとつめは、ただいま文庫 たべるえほんの会 第3回。
たべるえほんの会は、ゲストの先生に来ていただき、絵本をつかって
子どもたちの食への関心を深めるワークショップです。

今回は、小豆島のカフェで働いている大塚智穂さんを講師に、パンづくりを行ないました。
小豆島内の2歳〜8歳までの12人の子どもたちが参加し、エプロン姿で取り組みました。

智穂先生が用意してくださった2色のパン生地(プレーンとココア)を、それぞれ好きなかたちにします。
くまパン、かにパン、妖怪パン、みかんパン、お花パン、うさぎパン、女の子パンなど
みんな本当に器用にかたちをつくっていて驚きました。

かたちを整えたら、少し発酵させてオーブンへ。
焼いている間に、パンをいれる箱をつくったり、絵本の読み聞かせを行ないました。
智穂先生が焼いてきてくださったパンもみんなで食べました。
そうしているうちに美味しい香りが!

パンが焼き上がりました。つくった箱にいれて、お家へのお土産にします。
自分でつくった誇らしさと、シンプルなパンのおいしさに喜ぶみんなの笑顔が印象的でした!

ひとりひとりにしっかり楽しんでもらうため、今回は定員12名としましたが、
たくさんのお申し込みをいただきました。ありがとうございます。
今回ご参加できなかった方は、次の機会にぜひご参加ください。

そんな美味しいワークショップのあとは2つめのイベント ハロウィンパーティです!
暗幕をひいて少し薄暗くなったeiは、飾り付けられてハロウィン仕様。

仮装をしてきた子もいれば、画用紙や袋で変装する子も。
なかでも絵画教室の岡村美紀先生によるフェイスペイントが大人気でした。
小さな魔女や、猫の兄弟、妖精など、みんな本当にいつもにも増して可愛かったです。

小豆島では、まち全体がイベントの装飾で輝くことはありませんが、
やっぱり季節のイベントとなると、子どもたちはワクワクするようです。
イベントやワークショップ、港のすぐそばという立地も考えて、
少しずつeiの使い道を広げていきたいと感じた一週間でした。

2014年10月4週目|秋晴れが続いています

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

太鼓台奉納祭の余韻が残るこの一週間。
お祭りで燃えあがった男の人たちはみんな、かすれ声でした。
小さな島とはいえ、小豆島のほとんどの男の人がお祭りに参加して、
みんな筋肉痛になっていると思うと不思議な気がしましたが、
これこそが地域の一体感を生む文化なのだと思います。

内海地区のお祭りが終わった翌日、
10月16日には、坂手港沖に急遽、日本最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」が訪れました。

「飛鳥Ⅱ」は世界中を旅する客船で、その全長は241mもあるそうです。
おなじみのジャンボフェリーですら、横に並ぶと小さく見えてしまうほど。

夜にはイルミネーションされていました。
静かな海に華やかな都会が現れたような幻想的な光景で、
港にはカメラを構える方がたくさんおられました。

10月18日、小豆島町役場子育ち共育課の、新生児誕生をお祝いをする取り組み
「小豆(あずき)っこ誕生プロジェクト」第2回目のワークショップが開催されました。

来年度に生まれて来る赤ちゃんにむけて、子どもたちとグリーティングカードをつくります。
第1回目のワークショップでは、小豆島内を巡って、赤ちゃんに見せたい風景や物を撮影しました。
そして、今回のワークショップでは、その写真にコラージュやペイントでデコレーションを行ないました。

もし自分に弟や妹ができたらどんなカードをあげたいか想像しながら、
クレヨンや絵の具、はさみ、のり、テープなどをつかって、賑やかな飾りをつけました。
天気のいいなか、ふるさと村の気持ちいい芝生のうえで取り組んだこともあり、
子どもたちらしい、のびのびした絵や明るい色が広がりました。
デコレーションされた写真は、デザイナーの赤井さんによってカードになります。

台風が去って、小豆島は見事な秋晴れが続いています。
観光客のなかには、レンタサイクルを利用される方が増えており、
気持ち良くてエンジェルロードまで往復した(坂手港から往復約36km)とのお話も聞きました。
秋の気候+小豆島+自転車という組み合わせは最高だと思います。

他にも、オリーブの新漬けや美味しい海の幸など、小豆島は秋も魅力たっぷりです。
小豆島で暮らして、はじめての秋。まだまだ色々な発見がありそうです!

2014年10月3週目|小豆島の伝統文化に触れました

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

オリーブがたくさん実ったこの一週間、小豆島はお祭り週間でした。
1年のなかで最も小豆島のみなさんの活気が溢れる時期なのかもしれません。
この数日の間に、小豆島の方々の情熱を感じる機会がたくさんありました。

まずは10月8日、《美井戸神社》の竣工式が行なわれました。
《美井戸神社》は、ビートたけしさんとヤノベケンジさんの共同作品である
水の神様《ANGER from the Bottom》を祀るための神社です。
ご近所の方々からなる「美井戸神社をつくる会」からの寄付金により
坂手にまた新たな名所が誕生しました!本当に感動的な出来事です。

巨大な水の神様が古井戸から出てくる仕組みの《ANGER from the Bottom》を
祀るためには、社を神様が出てきた時の高さに合わせて設計する必要がありますが、
社を高くすると背面にそびえる洞雲山が見えなくなってしまいます。
そこで、設計を担当したdot architectsが生み出したのが、
「伸屋(のびや)」と名付けた新しい方法。
なんと、この《美井戸神社》は、神様が出て来るときにだけ屋根が上へ伸びます!

試行錯誤して作られたので、完成は予定より少し遅れてしまいましたが、
竣工式が行なわれた10月8日は、偶然にも「美井戸神社をつくる会」代表の川野さんと
奥様との50年目の結婚記念日とのことで、運命的だと感激されておられました。
またヤノベケンジさんも参列され、水の神様にさらに箔がついたと喜びのご挨拶をいただきました。
坂手港から徒歩5分。ぜひ美井戸神社にお参りください。

10月12日は、以前から稽古を重ねていた、中山農村歌舞伎の本番でした。
今年最大といわれる台風19号が近づき、中止の判断が迫られるなか、
中山農村歌舞伎保存会長の矢田徹さんは「決行する」と決められました。
みんなが心配しましたが、矢田さんの強い想いが伝わったのか奇跡的に台風の速度が弱まり、
無事に本番を迎えることができました。

中山農村歌舞伎は、江戸時代から300年以上継承されてきた伝統芸能です。
今年は矢田さんの提案で、小豆島町が行なっている中山千枚田オーナー制度に参加している
メンバーが歌舞伎に出演することになり、高松の石原さん、大阪の大野さんをはじめ、
小豆島町長、役場職員、醤の郷+坂手港プロジェクトスタッフの私たちで
《白浪五人男》を演じさせていただきました。

中山の人たちが大切に守り続けている文化に、外部の人を招き入れるというのは、
とても大きな覚悟が必要な決断だったと思います。稽古のたびに矢田さんや中山のみなさんの
真剣な想いが伝わり、私たちも身が引き締まる思いで臨めました。
文化継承には、後世に伝えることはもちろんですが、前世から学び受ける姿勢も重要だと感じました。

写真は、歌舞伎のお化粧をして本番に備える塩田町長。
舞台裏で化粧や着付けをしてくださった方々のおかげで、本番が一番素晴らしい出来になったと思います。

10月15日には、醤の郷+坂手港エリアである内海地区の太鼓台奉納祭がありました。

朝7時から緑のはちまきを締めて集まったのは、坂手の男性たち。
赤が苗羽(のうま)、黄が馬木、白が安田、ピンクが西村、真っ白が草壁です。
それぞれが太鼓がのった御輿を担いで、安田へ集まり奉納します。
奉納の前には、御輿を傾けたり放り上げたりと力強いパフォーマンスが繰り返されました。
競技ではないのに、「こっちの太鼓は重い」や「あっちより傾きが急だ」などと言い合い、
お祭りに誇りをもっておられるみなさんは、普段より10歳くらい若々しく見えました。

そして、このお祭りのために東京や大阪からクリエイターが何人も御輿を担ぎにきてくださいました。
島の人と力を合わせて声を掛け合って、御輿が進んでいく光景は忘れられません。
これから人口減少や高齢化が進むと、大切な文化を続けることが厳しくなるかもしれません。
そんな時に助け舟となるのは、島の外と繋がった関係だと思います。

農村歌舞伎や太鼓台奉納祭など小豆島の大切な文化を通して、
アートやデザインの取り組みを超えた深い関係が刻まれた一週間でした!

2014年10月2週目|魅力を探しに行きました

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

最近、小豆島中のあちこちからドンドンドンと聞こえて来ます。
これは小豆島の秋祭り「太鼓台奉納」の練習の音。
私が移住してきた初夏の頃から、秋は祭りで盛り上がる!と聞いていましたが、
ついにその季節が訪れ、男の人たちはいつにも増して活気に溢れています。

女の人たちは、太鼓を担ぐ男の人たちのためにお守りづくり。
私もご近所の方に教えてもらって作りました。
房や紐の飾り結びには時間がかかりましたが、なんとか完成!
醤の郷+坂手港エリアでは、10月15日に「太鼓台奉納」が行なわれます。

そんな太鼓の練習の音が響くなか、10月4日、小豆島町子育ち共育課の施策のひとつ
「小豆(あずき)っこ誕生プロジェクト」のワークショップが行なわれました。
このプロジェクトでは、赤ちゃんの誕生をお祝いし、子どもたちの愛郷心を育むため、
新生児へ向けて小豆島ならではの贈り物をする取り組みです。

今回のワークショップでは、最初の贈り物であるグリーティングカードを作成するため、
小豆島の子どもたちが、これから生まれてくる赤ちゃんに見せたい小豆島の風景や物をカメラで撮影しました。

ワークショップの指導はeiで絵画教室をひらいている岡村美紀さん。
岡村さんは、坂手港にある作品《小豆島縁起絵巻》を描いたことをきっかけに、
小豆島へ移住し、地域おこし協力隊として活動されているアーティストです。

今回は幼稚園〜小学生の10名の子どもたちと一緒に、オリーブ公園、地蔵埼灯台、
中山千枚田、吉田ダムなど、小豆島町の名所を遠足気分で巡りました。
「赤ちゃんに船を見せたい!」「ハート形のオリーブの葉があることも教えたい!」
などと話しながら、それぞれの視点で小豆島の美しさを写真に収めました。
撮った写真は、次回のワークショップでコラージュやペイントをして装飾し、
グリーティングカードの素材として使われます。

子どもたちの面白い視点を通して、たくさんの小豆島の見どころを知ることができました。
贈り物を受け取る赤ちゃんやご家族だけでなく、制作に関わった子どもたち自身も
故郷である小豆島の美しさに気がつく機会になったと思います。

その3日後、10月7日にはオリーブのリーゼントの作者である清水久和さんによる
「愛のバッドデザイン in 小豆島」第2回ワークショップが開催されました。
「愛のバッドデザイン」とは、清水さんが約30年続けておられるデザインリサーチで、
誰もが見たことのあるものなのに、とくに注目はされないデザインに着目し撮影をする活動です。

今回のワークショップに向けて、小豆島内に住む20〜40代の50名の方々から470点もの写真が集まりました。そのうち参加した20名程が、それぞれどんなところに愛のバッドデザインを
感じたのかプレゼンテーションをおこないました。
正解はないので何がバッドデザインなのか分からないという戸惑いもありましたが、
撮るうちに物の細部に目が向き、その物の気持ちを勝手に想像して愛を感じました。

私が発表したうちのひとつが素麺の帯です。
数十本の素麺たちをまとめるリーダー的存在であるのに、最後は自分だけ捨てられてしまう運命。
それでも最後までみんなをまとめぬく献身的な姿にぐっときました。

愛のバッドデザインがなかったら、素麺の帯の健気さに気づくことなど無かったでしょう。
こんなふうに少し視点を変えるだけで「デザイン」に親近感を抱くきっかけができます。
親近感を抱けば、きっとアート・デザインの作品や取り組みへも近づきやすくなると思います。

愛のバッドデザインのように、日常のなかで物への視点を意識して想像力を鍛えることで、
2016年に行なわれる瀬戸内国際芸術祭を、昨年の何百倍も楽しめるようになると思います。
瀬戸内国際芸術祭2016に向けて、小豆島の人たちがアートやデザインをポジティブに
受け入れるための小さな動きがあった1週間でした。

2014年10月1週目|農村歌舞伎練習中です

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

気がつけば10月になっていましたが、9月最終週を振り返ります。

9月24日、香川大学経済学部の1年生約30名が坂手のまちについて考える授業
「あいだのレッスン ワークショップ版」が行なわれました。
講師は、醤の郷+坂手港プロジェクトのディレクターを務める原田祐馬さん。

前日に坂手のまちを歩いて観察した学生に、こんな課題が出されました。
“ここで暮らす人に「あなたの困っていることはなんですか?」と質問しました。
「子どもたちの遊ぶところが少ない」という答えが戻ってきました。
そこで、坂手の町歩きをしたみなさん、アイデアを考えてください。”

4人1組のグループになってアイデアを出し合い、発表をしました。
本当に遊ぶところが少ないのか、どんな遊びかたがあるのか、
それぞれの観察力、プレゼン力が問われる課題です。

印象に残ったのは、オリーブ鬼ごっこという新しい遊びの提案。
オリーブの木に触れている間は鬼に捕まらないというルールを追加した鬼ごっこです。
子どもたちが普段からどこにオリーブがあるのかよく観察したり、
特産物について興味をもつきっかけとなる楽しいアイデアでした。
その他にも、まちおこしのヒントになりそうなアイデアもあり勉強になりました。

 

また、10月12日に行なわれる中山農村歌舞伎の稽古が進んでいます!
中山農村歌舞伎とは、小豆島に約300年続く伝統芸能で、秋の収穫期の楽しみとして継承されてきました。
重要有形民俗文化財に指定されている歌舞伎舞台で、毎年10月の第2日曜に行なわれます。

今年はなんと、小豆島の塩田町長と醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフも
出演させていただけることになりました!私も脇役として出させていただきます。演目は《白浪五人男》。

中山農村歌舞伎保存会会長の矢田さんにご指導いただき、みんな張り切って稽古に励んでいます。
古くから受け継がれてきた伝統芸能を体験させていただけることに感謝し、伝統文化の重みを感じています。

お時間があれば、ぜひ見に来てください!

2014年9月4週目|文化と収穫の秋がきました

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

会期が終わって季節はすっかり秋になりました。
夏場は毎日、楽しい歌声とカモメの鳴き声が響いていた坂手港は、
穏やかな波の音のなかに遠くの船の音が聞こえるほど静かです。

クリエイターのみなさんがそれぞれの拠点へ戻られて寂しいですが、
お別れの日には、みなさんがまた小豆島へ帰って来ると言ってくださいました。
会えるのを楽しみに、お待ちしています!

会期終了後の1週間は、ふたつの大きなイベントがありました。

ひとつは、9月20日、21日に公演された、演劇《あゆみ》。
《あゆみ》は、会期中にも大活躍だった劇団 ままごとの代表である柴幸男さんの戯曲で、
ひとりの少女あゆみの一生を、たくさんの俳優がかわるがわる演じるという前衛的な手法が特徴です。
私は4年前に、柴さんが演出された《あゆみ》に出会い、涙が止まりませんでした。
演劇のことを何も知らない私に、最初に衝撃的な感動を与えてくれた作品です。

今回の小豆島公演では、四国学院大学助教授の西村和宏さんが演出をされました。
そして出演者は、なんと18名のうち14名が小豆島で暮らす人たち。
3週間という短い期間のなかで、演技練習をされたそうですが、
全員の息がぴったりとあっていて、本当に素晴らしかったです。

私にとって2回目の《あゆみ》でしたが、演出によって作品の印象が全く違いました。
西村さんの演出は、ポップな雰囲気で誰にでもわかりやすく、
観る人が、演劇に親しみを感じるきっかけとなったと思います。
10月12日に中山で行なわれる農村歌舞伎など、小豆島には古くから芸能文化に触れる機会があるからこそ、
このように新しい文化作品に出合う機会が増えるといいなと思いました。

もうひとつの出来事は、9月22日におこなった中山千枚田の稲刈りです。
中山千枚田は、山の上部から麓まで広がる大きな棚田で、小豆島の観光名所のひとつです。
小豆島には、この美しい景観を維持するために、中山千枚田のオーナー制度という、
全国から募った会員が耕作を体験できる制度があります。

私たちも参加し、6月には人生初の田植えをしました。

そして今回ははじめての稲刈り。小さかった苗が3ヶ月で立派に育っていました。
この夏は日照時間が短かったにも関わらず豊作で、穂の重みに耐えかねて
倒れている稲があるほどでした。

鎌でざっざっと刈り取る作業は面白く、参加者一同無心で刈り取りました。
刈った稲は機械で脱穀しますが、昔は手作業だったそうです。
脱穀しやすいように刈った稲をその場で束ねるのが中山式とのことでした。

こんなに立派なお米が穫れる中山千枚田ですが、農家の高齢化が進み、
毎年、休耕田が増えているそうです。美しい自然を維持するには、
放りっぱなしではなく、対策をしていかないといけないのだと気づかされました。
そのような地域がかかえる問題に対して、アートやデザインの取り組みが繋がっていければと思います。

収穫したお米は乾燥中。いただくのが楽しみです!

2014年9月3週目|会期が無事に終わりました。

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

アート小豆島・豊島2014 小豆島 醤の郷+坂手港プロジェクトの会期は
9月15日をもって無事に終了しました。会期最後の一週間を振り返ります。

9月10日には、劇団 ままごとが、坂手にお住まいの細谷さんのお宅で
音楽会「ままごとさんとあそぼうよ!」をひらきました。
平日のお昼ということもあり、坂手のお母さまたちがたくさん来てくださいました。
おなじみのそうめん体操、しょうゆしょうしょうに加えて、故郷、里の秋、みかんの花咲く丘、
二人を結ぶジャンボフェリーなど、慣れ親しんだ曲をみんなで歌いました。
一緒に歌うだけで、今まで話す機会のなかったお母さま達との距離がぐっと近づいたように感じます。

9月13日、14日には、Umaki campにて、馬木の寺子屋「民藝の時間」を開催しました。
講師には、京都造形芸術大学の松井利夫先生[陶芸家]、上田篤先生[建築家]、中村裕太先生[陶芸家]を
お招きしました。また、信楽にある文五郎倉庫窯元5代目の奥田文悟さんご夫婦にもご協力いただきました。

9月13日は、醤油かすと土を混ぜて素焼きした器を、おしょうゆ焼きとマントル直結焼きという
手法をつかって焼き上げるワークショップでした。

おしょうゆ焼きは、素焼きの器に小豆島の醤油で絵付けをする焼き物です。
マルキン醤油やヤマロク醤油など小豆島の人にはお馴染みの醤油を、器に塗りました。

マントル直結焼きは、小豆島の三都半島神浦でとれるマントルが冷えてできた安山岩を、
のりで溶いて、釉薬としてつかう焼き物です。

どちらの焼き物も、小豆島ならではの素材をつかった焼き物をつくるために、
松井先生たちが試行錯誤して生み出してくださいました。
これを、奥田さんが信楽から持って来てくださった小さな窯で焼きました。

横の穴から器を、上の穴から炭を入れ、手前の穴にはドライヤーをつなぎ送風します。
火をおこして、しばらくすると、奥の穴からは火柱が!
この状態になると窯のなかは1300度にまでなっているそうです。
おしょうゆの焼ける香ばしい香りが漂いました。

太陽の日差しが照りつけるなか焼くこと約2時間・・・焼き上がりました!

左がおしょうゆ焼き、真ん中と右がマントル直結焼きです。
おしょうゆ焼きは、ほんのり美味しそうな醤油の色に、
マントル直結焼きは、なんとオリーブ色になりました!
窯のなかでの位置や焼く長さによって、さまざまな色合いになり、
参加者それぞれが自分だけの器を大切に持って帰ってくださいました。

9月14日には、器と郷土料理の交換会が行なわれました。
ご近所のお母さまたちが、続々と手のこんだお料理をもってきてくだり、
先生方の焼いた器のなかから好きなものを選んで交換をしました。
お料理はその場所にいたみんなでいただき、穏やかな会になりました。

会期最終日の夜には、醤の郷にてご近所映画クラブの新作上映会が開かれました。
ご近所映画クラブでは、脚本、監督、出演、撮影、編集まで全て馬木地区の方々が
おこなって映画をつくっています。新作《せ・な・か》は、思いやりを描いた作品でした。

その後、エリエス荘ではクリエイター一同から、まちの人々、協力者のみなさんへの
感謝の気持ちを込めて、ありがとうパーティーが行なわれました。
クリエイターそれぞれがつくったお料理でのビュッフェ、期間中のできごとをまとめたスライドショー、
ままごと+grafの服部滋樹さんのトロンボーン+小坂逸雄さんのギター+小豆島町長による歌による
賑やかなライブも行なわれました。

この2ヶ月は、あっという間で、とても充実していました。
まちのみなさん、遊びにきてくださったみなさん、役場のみなさん、クリエイターのみなさん、
色々と至らないことがあったにも関わらず、たくさん助けていただきありがとうございました!

醤の郷+坂手港プロジェクトは、“観光から関係へ”という軸をもっています。
この夏「ただいま」と島に帰ってきたクリエイターは、観光ではなく、
すでに出来た関係のために島に帰ってきてくれたのだと思います。
観光から関係へステップアップした後、関係から何を生み出せるのか
考えはじめるきっかけとなった2ヶ月でした。

2014年9月2週目|音の楽しみ方が広がりました

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

9月3日から7日までの5日間、馬木の寺子屋「音楽の時間」が行なわれました。
3、4、5日は苗羽小学校の授業、6、7日は誰でも参加いただけるワークショップとして、
sonihouseの鶴林万平さんと、音楽家のTakujiさんを講師に開催されました。

鶴林万平さんは、音の研究をしながらスピーカーの制作、設計をしておられます。
代表的な作品《scenery(シナリー)》は、12面体のかたちをしていて、
音が全方向に広がり、自然な音の聴き方ができるスピーカーです。
音楽が響く空間やその場にいる方の気持ちをよくできればと開発されたとのこと。
今回はその《scenery》を設置した空間で音楽の時間を行ないました。

Takujiさんは、沖縄在住のミュージシャンで、Little Creaturesというバンドのボーカルを担当されています。
スキャットという意味を持たない詞をメロディにのせる歌い方をつかって、
多くの人たちが参加できるコンサート《CIRCLE VOICE》という活動をされており、
今回の授業とワークショップでもスキャットをつかって、参加者みんなで音楽を楽しみました。

9月3日は、鶴林さんを講師に、1年生と一緒にフィールドワークを行いました。
意識していないと聞こえてこない音に耳をすませ、どんな音がしているのか話し、
最後には、周りの音との距離や方向、その音から受けるイメージを、音の地図として画用紙に描きました。
耳をひらいて音に集中すると、本当にたくさんの音がきこえてきて驚きました。
耳は意識してつかう器官なのだと知り、周りの音をきく面白さを学ぶ授業でした。

9月4日も鶴林さんを講師に5、6年生と、音楽のなかにあるひとつひとつの音を感じるという授業でした。
人間の耳には空気の振動が1秒間に20回から2万回までの音だけが聞こえているそうです。
今回は、音の組み合わせによるメロディではなく、聞こえるそれぞれの音を意識して、絵に表現しました。
音の特徴や印象を言葉で説明するのは難しいですが、絵として自由に描くことで、
自身の音の感じ方を視覚的に再認識することができました。
鋭さや速さ、温かさ、やわらかさなど、音触(おんしょく)を意識すると、
音楽の楽しみ方が豊かになることを実感できる時間となりました。みんなが描いた絵は、7日のワークショップの際に、旧醤油会館に展示されました。

9月5日は、Takujiさんによる授業で2、3、4年生と一緒にスキャットをつかって発声をしました。
手をつないで大きな輪をつくり、「あー」や「えー」と声をだしてみました。
声には普段は聞こえない倍音という成分が含まれていて、声同士がぶつかり合うことで、
その倍音が高い音できこえるようになるそうです。
実際にみんなの声が重なったときに、倍音をきくことができました。

また3つのグループごとにスキャットと足踏み、手拍子などを合わせセッションしました。
3つの部族が集まって、音楽をつくりあげているようでとても盛り上がりました。
スキャットや手拍子は、楽器が弾けなくても言葉が通じ合わなくても、
音楽をつくることができるので、世界中の人と仲良くなるきっかけになります。

そんな楽しい授業内容を、9月6、7日は誰でも参加できるワークショップとして行ない、両日とも50名以上の方にご来場いただけました。
大人になると身体を楽器としてつかうことや、みんなで声を合わせる機会が少なくなるせいか、
子どもよりも大人のほうが積極的に楽しんでくださいました。全国で活動されているTakujiさんが、これまでで最高の場となったと仰ってくださり、とても嬉しかったです。
最終日はTakujiさんのソロコンサートもあり、優しい歌声につつまれ、
会場となった旧醤油会館全体が、癒しの空間となりました。

9月7日は、他に2つのワークショップがありました。
14時からは、ただいま文庫で「たべるえほんの会 第2回」。33名の親子が参加してくださいました。
今回は、全国で活躍している料理人の後藤しおりさんをお招きし、
「うらしまたろう」の絵本をつかって、海の底をイメージしたお弁当をつくりました。
中山のお米、海の塩、醤の郷の醤油など小豆島にある食材について勉強しながら
お弁当箱につめていくと、玉手箱のようなお弁当が完成しました!
子どもたちが小豆島の食について知り、美味しくいただくワークショップとなりました。

同時にei2Fでは、滞在制作をしているovaqeとゆかいな仲間たちが、
1DAYワークショップ「アイデアの時間」を開催しました。
坂手のまちを歩きながら、それぞれが気になることを書きとめて、
みんなの考えを混ぜながら、アイデアをつくりだしました。

また、9月6日からは、劇団 ままごとによる活動もはじまっています。
朝の《そうめん体操》、10時からの《おさんぽ演劇》、突然はじまる《小豆島スイッチ》。
そして、新作《うたう火の用心》は、坂手地区か馬木地区で毎夕17:30から行なっています。
まちを歩きながら、オリジナルの火の用心ソングを歌うのですが、
楽しげな歌声につられて家からでて来たおばあさんや、子どもたちも参加してくださいました。

さらに坂手地区の《うたう火の用心》では、防災演劇も!
鈴木基真さんのワークショップでつくったダンボールの大きなおうちが舞台となりました!
みんなの作品とままごとの演劇がコラボレーションしたことに、胸がいっぱいになりました!

アート小豆島・豊島 醤の郷+坂手港プロジェクトの会期は9月15日まで。終わりが目前となりました。
仲良くなったクリエイターのみなさんが、それぞれの活動拠点へ戻られる日が迫り、寂しくなってきました。
残りの時間を大切にしようと感じる一週間でした。

2014年9月1週目|大きな作品ができました

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

小豆島には、少しずつ秋の訪れを感じる空気が漂いはじめました。

8月29日、30日、31日は3日間連続で、鈴木基真さんのワークショップ「大きなおうちをつくろう!」が
開催され、夏休み最後の思い出づくりにたくさんの子どもたちが参加してくれました。
鈴木さんは、昨年の瀬戸内国際芸術祭2013で、左海醤油にて作品展示とワークショップをされた彫刻家です。

今回は、ダンボールをつかってみんなで大きなおうちをつくりました。場所はeiの隣の空き地を
予定していましたが、初日に雨が降ったため、急遽3日間とも遊児老館(旧坂手幼稚園)で行ないました。

1日目は、ダンボール箱をレンガのように積み重ねて壁をつくり、四畳程のワンルームのおうちができ、
2日目は、玄関、コンロや流し台、窓、ポストなどおうちに必要なものが備わりました。
3日目には、洗濯機、物干し、エアコン、花瓶など生活感があるものが加わり、
「住みたい!」という声があがるほど快適なおうちができました。

それぞれが暮らしに必要だと思うものをダンボールでつくるという簡単な内容なだけに、
凝りはじめると止まらなくなり、大人も童心に返って楽しみました。
みんなでひとつの作品をつくることで、自然とアイデアの付け加えや譲り合いがおきて、
手も頭も働くワークショップとなりました。

8月29日の夜からは、Creator in Residence「ei」にて滞在制作をしていた
吉行良平さん、戸田祐希利さん、寺山紀彦さん、大植亜希子さんの成果発表が行なわれました。
吉行さんたちは、ei STUDIOをコウバと呼び、小豆島でみつけたものをテーマに、新しい道具をつくりました。

戸田さんは、フェリーのお見送りにつかう紙テープを小豆島の広告紙を材料にしてつくれる道具を、
寺山さんは、小豆島の海水をつかったシャボン玉を飛ばす道具を、
大植さんは、紙テープを編みものにできるように紡ぐ道具をつくりました。

どれも小豆島で暮らす方からの知恵や力を借りてできた道具ばかりです。
作品は9月15日までei 1Fにて展示していますので、是非ご覧ください。
8月31日からは、吉行さんチームに代わり、ovaqeチームが滞在し、
小豆島にある丁石(方角や場所を示す石)の調査がはじまっています。

9月2日は、小豆島町長のお誕生日でした。
エリエス荘に滞在しているクリエイターのみなさんと一緒に、町長の好きな料理をつくってお祝いしました。
コロッケに醤油をたっぷりかけて食べるのが町長流ということで、
みんなでマルキンの醤油をかけて美味しくいただきました。

小豆島にたくさんのクリエイターが集まるという状況ができているのも、
小豆島町とクリエイターとの信頼関係があるからこそだと思います。
みんなで一緒に制作をしたり、同じ場所で楽しく過ごせることを、あらためて幸せに感じる一週間となりました。

2014年8月4週目|イベントの集中期間でした

醤の郷+坂手港プロジェクトのスタッフ・こにしです。

醤の郷+坂手港プロジェクトでは、7月19日から9月15日までの期間を、
アート・デザインイベントの集中期間として数々の取り組みをしていますが、
そのなかでも、この一週間はとくにイベントがたくさんありました。

8月19日には、「しまうまの音楽」というJAZZライブが行なわれました。
このイベントは醤の郷+坂手港プロジェクトの取り組みではないのですが、
醤の郷にある常光寺の住職さんが企画をして、Umaki campで行なわれました。

おいしいカレーの香りや、心地よいJAZZの音色に誘われて、たくさんの人が集まり、
なんとUmaki camp史上初の来場者100人越えとなりました!

8月22日には、小豆島 建築ミーティング vol.02が行なわれました。
日本全国で活躍する20代~40代の建築家15名が小豆島に集まり、
Umaki campの評価や、建築と社会の関わり方について熱い議論が繰り広げられました。

「まれびと」をキーワードに、ある土地に外から訪れた者が、どんな役割や価値がもてるのかという議論は、
島の外から移り住んでいる私の経験と重ね合わせることができ、とても興味のある内容でした。

8月23日は、Umaki campにてイベント二本立てとなりました。
ひとつめは、小豆島の塩職人である蒲さんのワークショップ「塩の時間」。
海塩、岩塩、湖塩など、塩を選んで食べられるのは日本だけだということや、
塩づくりの歴史についてお話いただきながら、4チームに分かれて、海藻と海水から灰塩をつくりました。
まずは、小豆島の海で採ったホンダワラという海藻を、バーナーで炙り灰にしました。
その灰に海水を混ぜたら、上澄みをたこ壷に入れて焚くこと約2時間。
炎天下のなか、火を使う作業は大変でしたが、お茶を飲みながら暑さと戦いました。

頑張った甲斐があり、4チーム全てのたこ壷の底に、ちゃんと塩ができました!
塩の色は灰を濾すときの布の厚みで変わり、結晶の大きさは焚くときの火の強さで変わるとのこと。
チームそれぞれの塩ができ、味比べをしながら、その塩で塩おむすびをつくって美味しくいただきました。

塩づくりが終わり、引き続いてUmaki campで開催されたのは「カレーキャラバン in 小豆島」。
カレーキャラバンとは、日本中を旅しながら、それぞれの土地で調達した食材をつかって、
カレーをつくるプロジェクトです。カレーの美味しさよりも、つくる時間を楽しむことを大切にされていて、
Umaki campでも、訪れた人が鍋をのぞき込んだり、食材をみたりして交流が生まれていました。

完成したカレーは「うまうまうまきカレー」と名づけられ、まわりの人に配られました。
畑で採れた野菜や、直産で買った魚が入っていて、小豆島の味がつまったカレーでした。

8月24日には、朝から岡村美紀さんの絵画教室では衝撃的な光景が。

岡村さんが、grafの小坂逸雄さん、写真家のパトリック・ツァイさんと急遽企画し、
「アメリカから犬人間がやってくる」という命題をたてたワークショップがひらかれました。
子どもたちが、小坂さんが扮する犬人間の髪を、地元の美容師さんに習いながら切るという内容です。
得体の知れない犬人間を前に、泣く子もいたそうです。
子どもたちにとって忘れられない日になったと思います。

その頃、旧醤油会館の裏手にある竹林では、散歩道をつくるため、京都造形芸術大学の城戸崎先生と学生、
地元の馬木ひしお会のメンバー、町役場のスタッフ、総勢40名で竹刈りがおこなわれました。

蚊がたくさんいるなかで汗だくになりながら、すごい速さで作業が進められ、
お昼過ぎにはうっそうとした竹林に、やわらかい光が差し込みました。

そんな散歩道ができはじめた頃、eiではCreator in Residenceで滞在制作をしている
吉行良平さん・戸田祐希利さん・寺山紀彦さん、大植亜希子さんたちによる
ワークショップ「みる・きく・はなす と つくる教室」が開催されました。地元の中学生と一緒に、
いろんな素材を組み合わせたり、作品同士を合体させながら、ものをつくることについて考えました。
美術の授業ではできない、とにかく手を動かしてみるというもののつくりかたを学ぶ機会になりました。

さまざまな出来事が集中し、慌ただしい日が続きましたが、
本当にたくさんの人に支えられて、このプロジェクトが成り立っていると思いました。
疲労が楽しさで打ち消されるような、充実した一週間になりました。